山本正之

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山本 正之
OVATION LEGEND 1767を手に歌う山本
基本情報
出生名 山本 正之
生誕 (1951-07-11) 1951年7月11日(72歳)
出身地 日本の旗 日本愛知県安城市
学歴 駒澤大学
ジャンル
職業
担当楽器
活動期間 1974年 -
レーベル
公式サイト 少年の夢は生きている
著名使用楽器

山本 正之(やまもと まさゆき、1951年7月11日 - )は、日本歌手シンガーソングライター愛知県安城市山崎町出身。

来歴[編集]

学歴[編集]

幼少期~デビュー以前[編集]

幼児期に母親に連れられて鑑賞した東映時代劇の数々の劇伴音楽に影響を受ける。 小学生時期には、歌謡曲の作曲家、吉田正遠藤実渡久地政信に傾倒。中学生時期からはビートルズに熱中し、同級生とバンドを組み、一般的なオリジナル曲の創作を始める[1]

デビュー以降[編集]

1974年、就職浪人時代にCBCラジオに音源を送ったことがきっかけで、NPB中日ドラゴンズの応援歌『燃えよドラゴンズ!』で作詞・作曲家デビュー[2]。同年、ドラゴンズ優勝記念曲『ドラゴンズよありがとう』で歌手デビュー。

その後、1975年に『うぐいすだにミュージックホール』(笑福亭鶴光)『ひらけ!チューリップ』(間寛平)などのヒット曲を発表。同年には、鶴光の担当ディレクターの紹介でテレビアニメ『タイムボカン』の主題歌・劇伴音楽の製作を担当し、自身も主題歌を歌唱する[3][4]。以後「タイムボカンシリーズ」をはじめ多くのアニソン制作に関わる。

1983年にオリジナルコンサートを開始。

1988年に、発表のアルバム『山本正之'88』以来、シンガーソングライターとしての活動を続けている。

作風[編集]

作詞については、ラブソング等への単一性は無く、森羅万象、広域、多次元に渡り表現されている。

オリジナル・コンサートおよびオリジナル・アルバムに於いては、「各シリーズ」で構成され、「歴史シリーズ」「美少女シリーズ」「架空のヒーローシリーズ」「ニューヨークラブストーリーシリーズ」「宇宙哲学シリーズ」他が発表される。別途に、「長編シリーズ」と冠して1曲が45分に至るものもあり、オリジナルコンサートでの中心部で歌唱され、後日アルバムとしてCD化されている。

ライブ活動[編集]

オリジナル・コンサート[編集]

初のソロ・ライブは、1970年8月に西尾市綿業会館にて上演された「山本正之 フォークによく似たコンサート」であり、以後大学生終了まで毎年、西尾市内の小ホールでライブが開催されたが、歌唱楽曲のほとんどがオリジナルではなく、既成のフォークシンガーたちの楽曲を本人流にアレンジして上演されたことにより、オリジナル・コンサートとしてはカウントされていない。初のオリジナル・コンサートは、1983年12月に新宿タイニィアリスにて上演された「ペガサスが空を駈る」であり、以降「アフロディテを海に残して」「EXIT/出/文明記」「天体図鑑」と続き、直近の「飛行原理」へと繋がってゆく。演奏スタイルは、基本が山本のアコースティック・ギターによる独演であるが、1990年頃より、バックバンド「THE SUSQUEHANNA」(キーボード2人)を結成し、時期に応じてメンバーを組み代えながら上演している。

マサユキ前線[編集]

2002年4月 - 6月に第1回目が開催された全国ツアー。2 - 3か月内の毎週末、北から南、あるいは南から北へと移動して上演される。開催地の規模により、コンサートホールでの上演もあれば、会社会議室、ライブハウス、または後述するカラオケBOXでの上演と、多様な形式をとる。上演開始前に、山本が客席を回り、サイン、握手、歓談を繰り広げ、その後楽曲を歌唱する。終了後には記念撮影をし、場合によっては、食事、宴会へとなだれこむことも少なくない。2年ごと、西暦の偶数年に開催され、2016年に一旦終了、2020年に復活の企画を持つものの、事情により延期。

アニソンしばり[編集]

100 - 200人規模のライブハウスで上演される、アニメソングのみのライブ。約3時間超、三十数曲、エレクトリックアコースティックギターOVATION LEGEND 1767を駆使し、スタンディングで歌唱。客席の手拍子と掛け声を煽り、その熱狂は、ロックンロールのステージを彷彿させる。ほとんどが山本の独演であるが、過去に、小原乃梨子笠原弘子原良枝がゲスト出演した記録がある。

カラオケショー[編集]

東京・大阪以外の都市のカラオケボックスで、特にJOYSOUNDにて開かれるショー。場所によってはスタッフが同行せず、山本ひとりで現地に向かい、約2時間半、観客ひとりひとりの「お好きな歌」を歌唱する。飲酒も自由であり、子供の入場を禁じないこともある。

面影橋リクエストショー[編集]

毎年末に東京面影橋の小劇場にて開催される。1ステージ50人程度の観客に限定され、通常3日間、3ステージが上演される。初日に限り、クイズ、ジャンケン、あみだくじ、などでリクエスターが決定し、11分以内の曲を、その日の歌唱曲としてリクエストできる。2日目、楽日は、舞台上に独特の商品が置かれ、それをオークションで落札した人が、その日の歌唱曲としてリクエストできる。なお、オークションの売上の使途は、未だ[いつ?]明としていない。

楽曲にまつわるエピソード[編集]

デビュー前[編集]

幼少時から作詞・作曲家・歌手を志しており、前記の「ほっぴんぐ」などの短編曲の他、自身が結成したバンド用のオリジナル曲など、中学生、高校生の時期を一貫して、作詞作曲活動に没頭し、大学生の時期には歌唱法も修練し、学園祭や、プライベートライブへのゲスト出演を体験。同時に、ヒット曲を目指しての曲作りを開始し、デビューに備える。

デビュー後[編集]

燃えよドラゴンズ![編集]

大学卒業後、就職浪人をしていた山本に対して、郷里の先輩が「ラジオでドラゴンズの応援歌を募集していて、賞金10万円がもらえるぞ」と勧めたことにより、地元放送局に「燃えよドラゴンズ!」のデモテープを送る。ドラゴンズの応援歌募集は先輩がついた嘘であったが、デモテープを送付した放送局のうち、中部日本放送(CBC)が看板番組にて幾度もこのデモテープを放送。その後、東宝レコードより製作発売の申し込みがあり、これを以て山本正之のデビューに至る[5]。録音は歌手の都合で、オケを東京のスタジオでマルチ録音し、そのマルチ録音機ごとトラックに積載して夜中の東名高速を走り、CBCの第一スタジオにて歌唱を録音。コーラスは急遽集合した、中日球団ファンクラブの「少年ドラゴンズ」が担当。

うぐいすだにミュージックホール[編集]

燃えよドラゴンズ!」のヒットを受けて、デビュー前に友好関係にあった作家グループより連絡があり、新会社設立に参加するよう勧められ、株式会社魔人社音楽工房の役員になる。メンバーの作詞家の友人にニッポン放送傘下の音楽出版社のプロデューサーがいて、番組「オールナイトニッポン」と繋がり、笑福亭鶴光への楽曲を、大学生時期に書き溜めた曲の中から選択提供。

ひらけ!チューリップ[編集]

うぐいすだにミュージックホール」のヒットを受けて、大阪の音楽プロデューサーが魔人社を来訪。山本制作の60分のデモテープを回し、楽曲「哀愁のラブホテル」を間寛平に提供することが決まり、以後のスケジュールを検討中にも回り続けていたオープンリールの最後の曲「ひらけ!チューリップ」が流れ、その大阪のプロデューサーが立ち上がり、「これや!」と叫び、提供楽曲を変更。これもまたヒット曲となる。

タイムボカン[編集]

うぐいすだにミュージックホール」を制作したワーナー・パイオニアのディレクターの隣の席にいた竜の子プロ(現・タツノコ)担当のディレクターが、「おもしろくてカッコいいテレビアニメの主題歌を書ける人を紹介して」と相談したことから始まる。締切2時間前に魔人社の創作室で完成し、その足でワーナー・パイオニアのスタジオに向かい、竜の子プロ社長以下、歴々たるスタッフの車座の真中にてデモを歌唱。社長の吉田竜夫に喜ばれ、主題歌に決定。

コーラス[編集]

ピンクピッギーズ[編集]

山本の歌唱楽曲のバックコーラスを楽しむ女性コーラスユニット。タイムボカンシリーズでの肝付兼太との交流が縁で、当時創立直後の「ぷろだくしょんバオバブ」所属の声優を中心に立ち上げられた「劇団がらくた工房(初代座長・富田耕生)」の新人生(研究生)から選抜。『ヤットデタマン』の挿入歌「空からブタが降ってくる」でデビュー。常時7 - 8人のメンバーが待機しており、楽曲の雰囲気、または録音スケジュールによって、4 - 5人がスタジオに入った。タイムボカンシリーズの一旦終了後は、がらくた工房新人生のメンバーたちはそれぞれの道を行き、人気声優として成り立っていった。その後メンバーは、新たに「ぷろだくしょんバオバブ」の養成機関として設立された「バオバブ学園」の受講者たちから選抜され、山本のオリジナル曲や球団応援歌などでその歌声を披露したが、リーダー川上とも子の急逝の前後にメンバーは交替し、現在[いつ?]は山本の弟子たちで主に構成されている。

ブルーピッギーズ[編集]

山本の歌唱楽曲でバックコーラスを楽しむ男性コーラスユニット。メンバー詳細不明。

ひとりクレージー[編集]

山本がひとり7役で演じるハナ肇とクレージーキャッツ仕立てのコーラス。

ひとりさんあく[編集]

山本がひとり三役で演じる「ドロンボー一味」仕立てのコーラス。

主な作品[編集]

アニメ主題歌[編集]

アニメ劇伴音楽[編集]

俳優・芸人・スポーツ選手への提供曲[編集]

オリジナル・アルバム[編集]

  1. 山本正之'88
  2. 山本正之'89 少年の夢は生きている
  3. 才能の宝庫
  4. COLORS
  5. 鐘ノネ響キテ
  6. 才能の遺跡
  7. アノ世ノ果テ
  8. マサユキ天国
  9. 演歌の帝王
  10. 桃の花
  11. ザ☆短編
  12. 山本正之'99 女神の自由
  13. 十三の魔王
  14. 正しい未来
  15. 才能の本能
  16. 才能の楽園
  17. 男に咲く花
  18. SOLO弾きの夜
  19. 才能の熟成
  20. SOLO弾きの夜 2nd night
  21. 飛行原理
  22. SOLO弾きの夜 3rd night

ライブ・アルバム[編集]

  1. あああがらがらどんどんどん
  2. NEWYORK WHISPER
  3. オールディーズナイト
  4. AT THE EARLY TIME(静止画DVD)

ベスト・アルバム[編集]

  • ザ・シリーズベスト 夜はがらがらどんどんどん 付き
  • 怒涛日本史・天下はいらない

セルフカバー・アルバム[編集]

長編シリーズ[編集]

  • ザ☆長編
    • 獅子舞 / 少年剣士の夕焼け / ミノリの秋 / 黒百合城の兄弟II 謎の龍凧の巻
  • ザ☆長編 弐
    • 黒百合城の兄弟III アニソン国の勇者の巻 / 名犬コロスケの唄 〜Stephen Foster とともに〜 / 東京オリンピックnostalgia スターのきらめき
  • 長編・アノ世ノ果テ〜川上とも子に捧ぐ〜
  • サスクハナ号の曳航
  • サスクハナ号の曳航 II
  • サスクハナ号の曳航 III 星のキャロライン
  • サスクハナ号の曳航 IV 父の戦争
  • サスクハナ号の曳航 V 天保山崎村
  • サスクハナ号の曳航 VI 昭和の花びら
  • サスクハナ号の曳航 VII ピスの明治維新

劇団 山本正之プレゼンツ ドラマCD[編集]

1988年1月と10月に上演された「劇団 山本正之プレゼンツ」の2公演の脚本を、録音スタジオにて音声のみ収録(役により、公演時のオリジナルキャストとスタジオ録音キャストが違っている)。

  • VOL.1 游ぎつづけてビリジアン 出演・小野健一、松本保典 他
  • VOL.2 そよ子のスタイルブック 出演・笠原弘子、川上倫子 他

BOX[編集]

  • THE "ポコポッコン"(10枚組)
  • THE "パカパッカン"(10枚組)

映像作品[編集]

  • アニメの大王☆THE MOVIE
  • THE タイムボカン祭り

作品大全集[編集]

  • 山本正之作品大全集
  • 続・山本正之作品大全集
  • 蔵出・山本正之作品大全集
  • 最新・山本正之作品大全集(BOX =「THE"パカパッカン"」)

シングルレコード[編集]

  • いつか二人は / れんげの好きな女の子(自費出版)
  • さよなら(西尾高校有志出版・現「さよならラララ」の旧題)
  • さよならラ・ラ・ラ / 風の中
  • メルヘン・ジャンケンポン / ディスコ・ジャンケンポン
  • おぢさんシンドローム / 銀河熱風オンセンガー

CDシングル[編集]

  • Jijy / 大化改新
  • 急げタクシー / a boy
  • 怪人Jijy面相 / ジパング難破船
  • このまちだいすき / こんなに空が広いから
  • イケイケ池袋 / 馬場の酔い唄
  • 降臨!アニメの大王 / どびびぃーんセレナーデ
  • 燃えよドラゴンズ!98
  • おくすり百貨店 / おきょードドンパ
  • 熱血ファイターズの歌 / にちはむチャチャチャ
  • 熱血ファイターズの歌2002 / にちはむチャチャチャ
  • 解凍戦士タコヤキンガーZ / デリシャスの勇者☆オイシンジャー

シングル文庫[編集]

  1. 涙のカレーライス / 笑顔のハヤシライス / 想い出のオムライス
  2. 府中捕物控 / 下宿町晩歌 / 燃えよドラゴンズ
  3. 花火 / ミルクホールワルツ / フットライト / 駅
  4. アニメがなんだ / GOGOイソちゃん / 銀河シャンプーリンスガー
  5. 就職 / 明日からよその人 / 銀河号のうた / あじさいの花が色をかえた
  6. 檸檬倶楽部 / ばばの酔いうた / 黄昏ハイツ / グッバイあすふぁると
  7. 銀座のパキラII望郷編 / 銀座のパキラIII新幹線編 / 銀座のパキラIV紐育編
  8. 夕焼けの町 / 錦町小学校1年さくら組 / 菜の花
  9. Jijyの逆襲
  10. 憧れの遣唐使航路 / ああ時代劇 / 明治維新シンフォニー
  11. 遥かなる日本酒ライス / 王様のカツライス / はばたきのチキンライス / 花嫁チャーハン
  12. サスクハナ号の曳航II(長編シリーズ内と同一)

脚注[編集]

  1. ^ デビュー曲は自分へ の応援歌だった 『タイムボカン』は私の宝物【山本正之】”. 公益産業研究調査会 (2022年12月1日). 2024年4月9日閲覧。
  2. ^ ミュ~コミプラス 毎週月~木 24:00~24:53”. ミュ~コミプラス 毎週月~木 24:00~24:53. 2022年12月23日閲覧。
  3. ^ 「タイムボカンシリーズ」でおなじみの山本正之が生ギターで熱唱! キッズステーション『アニぱら音楽館』 (2)”. マイナビニュース (2012年11月9日). 2022年12月23日閲覧。
  4. ^ 『タイムボカンシリーズ』主題歌を手掛けた山本正之さん「あえて子供がわからない言葉を」”. NEWSポストセブン. 2022年12月23日閲覧。
  5. ^ ミュ~コミプラス 毎週月~木 24:00~24:53”. ミュ~コミプラス 毎週月~木 24:00~24:53. 2022年12月23日閲覧。
  6. ^ タイムボカン2000 怪盗きらめきマン :作品情報”. アニメハック. 2020年5月27日閲覧。

外部リンク[編集]