ソフトバンク多村仁志外野手(32)が今オフ、フリーエージェント(FA)権を行使して退団する可能性が高まった。球団側は近日中にFA交渉に入る予定だが、通算144本塁打の動向に注目が集まる。

 多村は昨オフに出場選手登録日数が最大60日加算される故障者特例によって国内FA権を取得しており、今季は今月11日に海外球団とも自由に交渉できる権利を得た。昨オフにはソフトバンクの複数年の打診を断り、1年契約を結んだ経緯がある。家族も横浜に残したまま、福岡で単身生活を続けていた。

 角田球団代表は今後の交渉について「これから話をする」と説明。だが今季は球団側が年俸1億円以上(多村は推定1億円)の選手に求めている常時出場はならず、ダウン査定は確実。同代表はFA宣言しての残留も認めているが、契約期間は単年を基本線とし、交渉は難航が予想される。

 この日は前日に続いて腰痛で欠場したが「(今季公式戦が)最後になるかもしれないので(チームに)同行した」と練習には参加した。93試合出場で打率2割8分2厘、17本塁打、57打点。守備センスも抜群で、FA戦線の目玉にもなりそうだ。

 [2009年10月18日11時22分

 紙面から]ソーシャルブックマーク