西武黒江透修ヘッドコーチ(69)が今季限りで辞任することが9日、分かった。すでに辞意を固めており、シーズンの全日程が終了した後に、球団に正式に伝える。渡辺新監督の下、若返ったコーチ陣の“お目付け役”として入閣したが、機能しきれなかった。球団は、後任人事の選定作業に着手することになる。

 同コーチの西武復帰は94年以来だった。黄金期を知り、昔ながらの厳しさを求める指導スタイルが、新チームではマッチしなかった。渡辺監督がミスを責めない伸び伸び野球を推進し、チーム方針と根本的に合わなかった。意見の食い違いから、首脳陣で衝突する場面もあり、次第に孤立する存在になっていた。

 昨年のオフ、球団主導の人事で入閣した。まだ2軍監督だった渡辺監督に就任オファーを出す前に、黒江ヘッド就任が決まっていたことも背景にあった。

 複数の関係者に辞意を漏らしており、このまま退団する可能性が高い。紫色のヘアカラーがトレードマークの名物参謀が、若返りの波に押されてチームを去る。