<巨人9-1阪神>◇20日◇東京ドーム

 先発のベテラン下柳剛投手(40)が巨人打線の1発攻勢に沈んだ。初回、超重量ラインアップの勢いにのみ込まれた。1死一、二塁。ラミレスに投じたフォークは落ちず、棒球になった。フルスイングでバックスクリーン左に運ばれる。痛恨の3ランを浴びた直後も李に右翼席へ被弾。連続本塁打を許し、4点を失った。

 2回も小笠原に2ランを浴び、さらに阿部にも右前適時打を許したところで、ベンチもたまらずタオルを投げ入れた。「今日はオレ1人、悪いだけ。みんな頑張ってくれたのに、オレが悪い」と猛省した。まさかの今季最短1回2/3で降板。7失点KOされた。2回を持たずにマウンドを降りたのは05年8月19日ヤクルト戦(神宮)以来、3年ぶりの「悪夢」だった。

 受けた矢野も「調子良くはないだろう。ボールは高いし…」と、いつもと違うベテラン左腕を気遣った。久保チーフ投手コーチも「変化球を低めに投げさせられなかった自分の責任です」と振り返った。下柳は今季の巨人戦4試合に登板し、合計20回1/3で16失点。防御率7・08と分が悪く、10月のクライマックスシリーズにも不安を残した。

 ついに巨人に1ゲーム差に迫られた。報道陣からの「完敗か」の問いに、岡田監督は「おお。別に何もないよ。点数の通りよ」と話した。言葉は少ない。「別に、この連戦を何勝何敗でいくとか、もう、そういう時期ではない。巨人とあと3試合あるからな」とつぶやいた。